2006年5月変更

エリ蚕の繭は製糸に向かず紡ぎ糸や真綿の材料にされるため、出殻マユを利用します。
そのためサナギは羽化し400−500個ほどの卵を産み、40日後(ライフサイクル40−42日)にはまた多くのカップルが誕生し、どんどん増え続けるのです。
虫の生産調整をする必要がありますが、虫はトリのエサとなるため生産調整用の虫で養鶏を実施することが出来ます。
ヒマやキャッサバの葉は雨の多い熱帯地域では常に大量に採集することが出来るためこのような地域では大量のエリ蚕を飼育することが出来ます。
現在、発展途上地域での女性の職業としてエリサンの飼育が注目されているのです。

インドのアッサムやベンガル地方が原産地。
ヒマやキャッサバ、シンジュの葉を食べ年に何回も発生します(多化性)。
エリサンも蚕ではないので野蚕です。

2005年9月3日(土)
エリ蚕到着  孵化14日目くらい
蚕業試験場でエリサンの幼虫をいただきました。

餌になる木が見つかるかどうか心配だったので餌の葉っぱと一緒に5匹ほどもらってかえりました。
長時間のドライブにも負けず、
もりもりシンジュの葉っぱを食べています。
見かけはトゲトゲだけれどさわるとちくちくしてかわいい!
2005年9月4日(日)
脱皮
昨日家にやってきたばかりなのに早速パフォーマンス。ゆっくりゆっくり脱皮を始めました。
トゲトゲがあるので蚕よりも脱ぎにくそうに感じてしまうのは気のせいかな?
2005年9月6日(火)
成長中
蚕に比べると足がとてもしっかりとしていてなかなか枝から離れません。
ちょっと意地悪をして振ってみましたが
落ちません。

必死でしがみついているようなしぐさがなんともいえずかわいい。

よく見ると足には毛が・・・。


見た目は大きいけれど、蚕と同じように餌の葉っぱから離れようとしないので逃げ出すこともなく蓋のない箱の中で暮らしています。
2005年9月20日(火
営繭
昨日から突然動きが活発になった一匹がシンジュの葉っぱを利用して繭を作り始めました。
ゆっくりゆっくり糸を吐いています。
できあがった繭がだんだん固くなってきました。

楕円形でぼわぼわした繭です。
2005年9月25日(水)
繭を開いてみました。

おなじみの茶色の蛹と脱皮した皮がありました。

蚕に比べると大きいけれど形はそっくり。
お尻をさわるとくるくると動かします。

たぶんメスかな?

残りの4匹は空き地に生えていたシンジュの葉っぱを食べたとたん液体を吐いて死んでしまいました。
除草剤や農薬がまかれていたのかもしれません。すごく悲しいです。
2005年10月5日(水)
羽化
はじめは閉じていた羽を少しずつ広げて
ばーーーーーんと迫力の姿です。


たった一匹生き残ったエリサンが素敵な姿を見せてくれました。
2005年10月10日(月)
手乗り!?
大きな羽を広げてずっとオスを待っていたエリサン。
手にのせるとずっとこうやってしがみついています。
2005年10月12日(水)
産卵
産卵を始めました。

でももちろんこれは未受精卵なので孵化することはありません。
残念・・・。
2005年10月13日(木)
三日月が新月!?
蚕蛾と比べると大きくて迫力があります。
エリサンの羽にはきれいな三日月模様と左右の羽に一匹ずつ蛇の頭模様があります。わかりますか?

一匹だけ羽化したエリサン。
よく見てみると三日月がない・・・なぜなんだろう
下は試験場でいただいたエリサンの成虫です。比べてみて下さい。
エリ蚕
エリサンって?
脱皮した皮
副産物